読み手が決めたいことから、最初の一枚を作る

営業資料の順番に、すべての会社へ当てはまる正解はありません。初対面で信頼を知りたい人なら会社紹介が必要です。一方、すでに相談内容が分かっている相手なら、今回の困りごとと提案から始める方が話しやすい場合があります。

まず「資料を読んだあと、何を判断してほしいか」を一文にします。契約を決める、社内へ共有する、次の相談を申し込むなど、行動が違えば必要な説明も変わります。見栄えを整える前に、資料の役割を決めましょう。

商談用と、渡して読む資料を分ける

商談中のスライドは、担当者が言葉を補えます。送付するPDFは、受け取った人が他の人へ転送する可能性もあります。話す前提の短い言葉だけでは、条件や提案の背景が伝わらないことがあります。

同じ素材から作っても、商談用は要点と図を中心に、送付用は条件と補足を残す、と分けられます。二つを毎回一から作る必要はありません。共通する事実の一覧を持ち、用途に合わせて見せ方を変えます。

読み手が知りたいこと用意する材料避けたい状態
自社に関係があるか対象と困りごと抽象的な理念だけで始まる
何をしてくれるか具体的な仕事と成果物サービス名だけを並べる
何が変わるか現状と目指す運用の比較根拠のない効果の数字
どう進めるか役割、準備、確認、期間お客様側の作業が見えない
次に何をするか相談や検討の入口連絡先だけで終わる

お客様の質問を、見出しに変える

過去に繰り返し聞かれた質問を五つ集めます。「他との違いは」「うちで準備することは」「どこまで含まれるか」など、実際の言葉を起点にしてください。その答えを見出しにすると、営業担当の説明と資料の順番を合わせやすくなります。

資料に何でも入れるより、主な疑問に答えるページと補足資料を分けます。商品の仕様が細かい場合は、本文で判断の要点を示し、詳細は別紙やWebへ置くこともできます。重要な条件は、補足だけに隠さないようにします。

領家A

普段の商談で説明している理由を、資料にも残したいですね。

領家B

一枚の結論が決まると、図にする場所と文章で残す場所を選べます。

比較表は、同じ項目で比べる

プランや依頼方法を比べるなら、対象、含む仕事、自社の担当、納品後の運用、費用の決まり方をそろえます。片方だけ良い点を書き、もう片方を曖昧にすると、公平な判断ができません。選ばない方がよい条件も明記できると、相談のずれを減らせます。

他社との比較を載せる場合は、同じ条件の公開情報で確認できる範囲に限ります。他社のページに書いていないことを「対応できない」と扱わないでください。Doaの資料でも、優れていると言い切るより、実際に何を確認し、何を渡すかで違いを伝えます。

一つの資料を組み直す手順

  1. 読み手と、最後にしてほしい判断を決める。
  2. 既存資料の各ページに、答えている質問を一つ書く。
  3. 同じ質問へ答えるページをまとめ、足りない質問を追加する。
  4. 各ページの結論を一文にし、根拠や具体例を添える。
  5. 見積もりやWebと、サービス名・条件・案内先を照合する。
  6. 営業担当以外の人に読んでもらい、伝わらなかった点を直す。

所要時間は資料の長さと材料の状態で変わります。最初に全ページを描き直すのではなく、最もよく説明する提案一つで試すと、手直しの範囲を把握しやすくなります。古い版は別に保管し、どれが提出用か分かる名前にします。

一枚の資料で、説明の抜けを見つける

商談で口頭説明が必要だった箇所を、資料の改善に使います。下の欄を一枚にまとめ、同僚に読んでもらいます。実績として使えない数字や未承認の社名は入れず、提案の中身を説明する文章で判断できる状態にします。

相手の状況:何に困っている人か
提案:何をどう変えるか
範囲:作るもの、用意してもらうもの
進め方:相談、確認、制作、受け渡し
根拠:許可済みの事例、見本、具体手順
次の行動:相談、見積依頼、社内検討

読み手が「何を頼めるのか」を言い直せなければ、先に文章の順序を見直します。説明者が同席する資料と、社内で回覧される資料では補足の量が違います。配布用には担当者不在でも理解できる条件を残し、投影用では一画面に詰め込みすぎないようにします。

領家A

商談で毎回説明していることは、資料の改善材料になります。

領家B

使う場面を先に聞けると、文字量や図の大きさも決めやすいです。

Doaへ渡せることと、自社で残すこと

自社には商品やサービスの事実、対応できる条件、価格の承認を残します。Doaへはヒアリング、構成、原稿の整理、比較図、デザインまで、必要な部分を依頼できます。完成した資料だけでなく、今後差し替える場所や更新方法も相談します。

完了の目印は、担当者が替わっても同じ提案を説明できること。資料の見た目だけでなく、更新する人が必要な箇所を見つけられるかも確かめます。石川県内の対面相談では、普段どう話しているかを伺うところから始められます。

  • 読み手と資料の用途が分かる。
  • 一枚に一つの結論がある。
  • 比較の軸と、条件の根拠がそろっている。
  • Webと資料の説明が一致している。